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平成30年度心身障害児者関係予算に関する重点要望

全肢連では障害児者の医療、教育、職業、生活等の制度の改善、生活環境の整備、障害者福祉全般の向上をはかるため、実情と問題点を提起し、一般社会の理解を深めるための運動を進めるとともに、行政及び関係方面への要請活動等を展開しています。

厚生労働省

制度

☆「障害福祉サービス利用制度の見直し」について
  1. 日常生活に不可欠な言語コミュニケーション機器を日常生活用具に加えるよう告示の変更を図られたい。
  1. ☆障害のある人にとっては、機能維持を図ることは重要なリハビリテーションです。成人に達しても医療機関において機能訓練が受け続けられるように診療報酬の改善または補助を図られたい。
 
「支援人材の確保」について
  1. ☆支援する人材(介護職員)を確保するための充分な財源を確保するよう図られたい。
 
「在宅医療の充実」について
  1. ☆障害者の在宅医療を進め、小児科医、小児神経医、内科等の在宅医療推進を制度的に推進し、重度心身障害者、難病患者、医療の必要な高齢障害者の地域生活を安心して継続できるよう図られたい。
 
「訪問系サービス」について
  1. ☆訪問系サービスが在宅外でも利用できることを周知と同時に事業者の参入を促す環境の改善を図られたい。
 
「地域生活支援事業」について
  1. ☆地域生活支援拠点整備を早急に推進するために一層の支援を図られたい。

医療的ケア

「医療的ケア全般」について
  1. ☆フッ素での予防的治療は、虫歯の発生をかなり予防されることからフッ素治療費の自己負担が地域により異ならないように改善を図られたい。
  1. ☆障害者は、医療機関で検査などを断られるケースが多く、専門的な対応ができる医療機関が少ない。障害者が安心して検診、受診できるように医師の育成を含めた医療機関の整備を図られたい。
 
☆「報酬単価の改定」について
  1. ☆肢体不自由児者にとって身体機能の維持改善にリハビリテーションは生涯にわたって必須であるが提供体制が貧しく維持改善どころか二次障害に至る場合も起きている。障害児(者)リハビリテーション料の算定できる施設について、障害児(者)の生活をする地域においてリハビリテーションを受けられるよう脳血管等リハビリテーション料と同等の金額へ引き上げられるよう要件の改善を図られたい。
  1. ☆地域の福祉施設がショートステイ(短期入所)を始めたくても、この報酬では将来的に見通しが立たない。施設から地域への移行を促進するためにも、身近な福祉型短期入所サービスに対する報酬増を図られたい。
  1. ☆重度重複肢体不自由者(身障1種2級以上、療育手帳A判定、介護区分6)がグル-プホ-ムへ入居した場合、「障害者基礎年金」や「特別障害者手当」」等の支給金額よりも多くかかる事業所もある。重度重複肢体不自由児者にとって就労は難しい状況であり、「年金」「手当」以上の収入は望めない。一人の独立した個人として、重度重複肢体不自由者が地域で最低限の健全な生活が営むことのできるように少なくとも生活保護受給者程度への増額を図られたい。

重度障害児者

「重度障害児者への支援」について
  1. ☆一人の独立した個人として「特別障害者手当」、「障害者基礎年金」等で障害者が在宅で生活できるよう、少なくとも生活保護受給者程度への増額を図られたい。
  1. ☆厚生労働省は文部科学省と協働し、医師並びに看護士、その他専門医療職を目指す学生が、医療的ケア等の必要な重度心身障害者やその家族と接する機会が得られるような仕組み(医学部卒業までに必要な単位にするなど)の構築を図られたい。

就労

「就労支援」について
  1. 就労継続支援事業所の食事加算の減額施策が平成29年度(平成30年3月31日)まで延長となったが、利用者が安心して施設を利用できるように30年度以降も継続するよう図られたい。

住まい・グループホーム

「施設入所数の削減の見直し、施設建設の要件と基準緩和」について
  1. ☆国の方針に基づき、施設入所から地域移行をめざしているが、グループホーム等の整備が未だ不十分である。重度障害者が利用できるグループホーム設置促進と、障害当事者、親の高齢化により入所の必要性が高くなる事への対策として、住まいの場の整備と重度障害者の入所施設の確保を図られたい。
  1. ☆グループホーム等で生活している利用者のみに月1万円の住宅手当が出されているが、アパートや個人住宅で暮らす障害者の実質生活費は全て自前にもかかわらず何の手当ても無く不公平感がある。今後、親の遺産を引き継ぐ等自宅で暮らす障害者も多くなることが予想されるなか、住宅手当よりも障害者年金の実質アップとして公正な支給への見直しを図られたい。
 
「さまざまな暮らしの在り方」について
  1. ☆医療的ケアの必要な方はもちろんのこと重度の障害者はショートステイ(短期入所)の利用ができない。これでは当事者の自立、また親、家族のレスパイト等がいつまでたってもできない。早急に重度の障害者が利用できるようショートステイ施設への手立てを図られたい。

計画相談

「地域に密着した相談支援体制」について
  1. ☆障害者相談支援の中核となる基幹相談支援センターは多くの自治体でいまだ整備されておらず、その数も不足している。指定相談事業所が運営できるよう、国の指導により市町村の格差是正と制度の改善を図られたい。
 
「相談支援アセスメント項目」について
  1. ☆計画相談支援、障害児相談支援の参考様式集のアセスメント項目に、「通学」「就労」「災害」の項目を追加するよう改善を図られたい。

移動支援

「移動支援」について
  1. ☆現状の移動支援制度は「個別給付と地域生活支援事業」の二本立てで行われているが、地域生活支援事業では個別給付のような全国一律の基準ではなく自治体の裁量で決定されることから真に必要なサービスが得られない。一法律一制度でありながら、現制度化の地域生活支援事業では地域間格差を解消する手立てが厳しく自治体の判断に委ねることのない全国一律の制度とすることに加え個別給付施策の拡大を図られたい。
  1. ☆車いす利用者・医療的ケアを必要とする児童が特別支援学校、普通学校に通学する時、保護者が通学手段を持ちえない場合などがある。通学に係る移動支援は現状の個別給付と地域生活支援事業に限らず、特別支援教育の個別給付施策としての実施を図られたい。
  1. ☆改正障害者雇用促進法の合理的配慮に車いす利用者・医療的ケアを必要とする者が自力で通勤手段を持たない時の例示はないが、公共交通機関の利用が不可能であっても、移動支援(福祉有償運送)が担保されることで就労機会を得ることで多くの障害者の自立の道が開かれることとなる。移動支援は現状の個別給付と地域支援事業に限らず障害者就労支援の個別給付施策での実施を図られたい。
  1. ☆通所施設利用者の送迎加算額の増額、または通所支援施設等への通勤費補助の制度化を図られたい。
  1. ☆地域生活支援事業では、障害児者が充実した日常生活を営むことができるようまた社会参加等に必要な外出時に支援するとされているが、余暇他、入院・通院、グループホーム、入所・通所施設などの移動にも使えるよう利用拡大を図られたい。

障害者の65歳問題

「65歳以上障害者の障害者総合支援法と介護保険の併給」について
  1. ☆障害者が65歳になると、それまで受けていた障害者福祉サービスから介護保険サービスに優先適用されるが、障害者が必要とするサービスが介護保険サービスにない、生活介護の継続利用が必要なことから、平成27年2月18日付けで、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課障害福祉課から各都道府県等に対して事務連絡で「併給可」の通達の更なる周知、徹底を図られたい。

災害時・緊急時

「災害時・緊急時」について
  1. ☆指定避難所、指定緊急避難所については自治体で広報など周知されているが、福祉避難所については未整備自治体も見受けられ早急な整備を求めるとともに、福祉避難所を設置している自治体についても利用者の観点から周知方法並びに利用者の立場に立った支援の在り方について検討を行うよう図られたい。
  1. ☆医療的ケアに関わる医療機器が災害時でも維持できるように自宅及び避難所における機器のバッテリー化と予備バッテリー購入に支援を図られたい。
  1. ☆減災と災害時の支援を図るために障害支援区分認定調査表や、相談支援アセスメント表に「災害時の支援に関する項目」の追加を図られたい。
  1. ☆障害者個別支援計画の策定時に、災害時に支援を必要とする要援護者について、各自治体で登録の必要性がある障害者一人一人について支援計画を策定するよう指導を図られたい。

文部科学省

「心身障害者への理解の教育」について

  1. 共生社会構築は、国民全体の問題であり、健常者との共生教育を通して、人間の尊厳、命の尊さの学びからノーマライゼーション活動の大切さの理解を深める事ができる。学校教育の中に「人はみな同じ」、「心身障害者」の教育を取り入れるよう図られたい。

「特別支援学校等における医療的ケアへの充実」について

  1. スクールバスが停車し、医療的ケアを行う規制の官庁は警察、停車する場所は国土交通省と多くの関係者に関わることから関係省庁との意見交換の場で課題を詰めていくことを図られたい。

「高等学校に特別支援学級の開設」について

  1. 特別支援学校の過大校対策とインクルーシブ教育実現のため、高等学校に特別支援学級の開設モデル事業を受けて、拡大を早急に図られたい。

「医療的ケアの教育等」について

  1. 学校教育の場での介護職員等が一定の研修後行なえる医療的ケアについて、取扱いできるヘルパ-等の増員を図るとともに、厚生労働省と連携を図り制度設計の一層の促進を図られたい。

「学籍」について

  1. 障害児の学籍は住んでいる居住地学区に置く事が出来るよう図られたい。

「特別支援教育全般」について

  1. ☆義務教育における障害のある児童、生徒は、居住する学校(学区)に特別支援学級の設置が認められているが、認めていない市町もある。障害のある児童の入学に際しては市町に対して適切な指導を行うよう図られたい。
  1. ☆障害を持つ児童生徒が通うすべての学校に対し、自立活動の授業を組み込むよう配慮いただきたい。特に小学校低学年の児童には、正しい姿勢の保持や嚥下摂食の指導が継続的に行っていただけるよう図られたい。
  1. ☆普通学校の通常学級や支援学級へ在籍する肢体不自由児への支援強化(複数の支援員配置)を図られたい。
  1. ☆支援学校での学習の質の向上と虐待の防止のために生徒と教師が1対1とならないように人員強化を図られたい。
  1. ☆重度重複障害児者への医療支援充実を図るため、医師並びに看護士、その他専門医療職などを目指す学生には、育成時に障害児者医療の必須化を図られたい。

国土交通省

「ITを活用したデマンド交通」について

  1. 障害児者の移動支援として、ITを活用したデマンド交通(予約型乗合交通)を実施している市区町村への助成強化と、公共交通機関を基軸として福祉との連携、制度化を図られたい。

内閣府

☆「共生社会の実現」について

  1. ☆神奈川県津久井やまゆり園の事件後も、新聞・テレビ等での障害者への虐待や暴行の事件報道が多々ある。障害者・健常者が共に生活できる「共生社会づくり」を目指し、地域の人たちと一緒に分け隔てなく共に生きていけるよう、いろいろな取り組みを進めていくよう図られたい。
  1. ☆障害者の人権を擁護するための一層の施策の推進を図られたい。
  1. ☆報酬は、次期改定まで固定となっているため給料等の増額ができず、必要に応じた人材確保が難しいのが現状である。固定的でなく段階的なスライド式としていただくよう図られたい。
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